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2013年08月16日

ブルートレインたらぎに行ってきました(熊本)

ブルートレインたらぎに行ってきました(熊本)
「ブルートレインたらぎ」

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という所は、実はワタシの自宅から約3時間程度の場所にあります。
かつては九州山地を越え、秘境と呼ばれる西米良村の村所を過ぎて、ようやく湯前に至って、そこからさらに少し走った場所だったのですが、道路の改良がみるみる進み、このような時間になっておるのです。

かつて、宮脇俊三氏が「時刻表2万キロ」で著した紀行文では、宮崎からは鉄道利用で、佐土原から「妻線」というかつて存在したローカル線に乗っております。
8時42分 宮崎駅出発。9時20分、妻駅(西都市中心部)。9時31分、杉安着。そこで10分ほど待ってバスに乗り換え。
バスは杉安から村所まで1時間45分、村所から湯前まで1時間10分。
「村所は秘境といわれる米良荘の中心で、バス営業所のあたりはわずかながら商店街が形成されていたが、やはり町ではなく集落と呼ぶにふさわしいところで、深い山の気配にすっぽりと包み込まれていた。きのう夕方東京を出たばかりなのに、早くもこんなところに降り立っているのが不思議に思われてくる。………しばらくここにいたかったが、湯前行きの接続バスは私を10分しか村所に留めてくれなかった。」
と名残惜しそうに書いているのが印象的です。
「杉安から3時間揺られて、ようやく湯前に着き、国鉄の駅を目の前に見たときは懐かしかった。」
バスは3時間、鉄道1時間。湯前から多良木は書かれていないが、今と変わりないので、どう見ても合計約4時間半。1時間半の短縮をどう感じるかではありますが、人家まれな山峡の道路を大改良するというのは、やはりすごいですね。

閑話休題。

「ブルートレインたらぎ」は、「3両編成」です。
ブルートレインたらぎに行ってきました(熊本)

詳細はサイトの紹介に譲るとして、今回泊まったのは、息子らが開放寝台のあるスハネフ14、ワタシは個室のオハネ15。
5人家族の場合、一人だけ開放寝台に泊まるとなると、何かと不都合(他の家族と居合わせる等)だし、個室も開放も同じ料金、それに2つのタイプを楽しめるとなれば、当然こういった選択になります。

施設は、くま川鉄道多良木駅に併設されており、近辺には交流センターえびすの湯や物産館など、いわゆる観光基地の中心部になっております。
ブルートレインたらぎに行ってきました(熊本)

最後尾は「はやぶさ」のテールサインを掲示。テールランプやドア開放灯、側面の行き先表示板なども点灯していて雰囲気が出ております。
ただ反対側のオハネ15は、いきなりぷつっと貫通部が出ているので、思わず車両基地かと思うような眺め。
ブルートレインたらぎに行ってきました(熊本)


スハネフ14はそのまんま開放寝台が残されていて、手もほとんど加えられていないので往時の雰囲気がほぼ完全に残っています。室内に入ったときの、あの独特な匂いもそのまんまです。
ブルートレインたらぎに行ってきました(熊本)

洗面台も当時のままのものが使えますが、すぐ隣りの車両から出入りできる新設の洗面台やトイレもあって、清潔かつ便利です。(従来のトイレは閉鎖)
ブルートレインたらぎに行ってきました(熊本)

子供らには上段が大人気です。

個室は残念ながら狭くて写真がないのですが、「Bソロは狭い」という、かつて「北斗星」に乗車したときの印象そのまんまでした。でも、やはり他人の動きを気にしなくて泊まれる個室はいいもんですね。

2両目はフリースペースで、食事などはここでという案内。基本的に寝台は飲食禁止だそうです。昔のイメージに触れたい人は寝台のテーブルで、人吉駅の駅弁などをと想像したくなるのですが、「保存」車両であれば、施設が汚れないようにするのは当然のことですね。

宿泊者は、となりの「えびすの湯」の1回分チケットをもらえます。1回のみですので、夜に入浴したら朝は自腹となります。ワタシは朝風呂の習慣がないので全然OKでした。

以前、SLホテル全盛の頃、全国に20系寝台車を使った宿泊施設ができました。その頃の印象として、「動かない寝台車両は、落ち着かずにかえって眠れない」という意見があったのですが、この「ブルートレインたらぎ」の場合、すぐ傍らをくま川鉄道が走っており、時々列車の通過音が聞こえるため、途中駅で交換待ちをしているような気分になります。そして、以前のように「列車で移動中に寝る」という機会が非常に少なくなったので、その雰囲気を知っている人も減り、「眠れない」というのも少なくなるのでは、と変な期待をしております。

総じて、個人的にはいい雰囲気の宿だと思います。プライバシーや、宿泊サービスを過度に期待する方には難しいでしょうけれど、このお値段ならいいのではないかと思います。ちなみに大人1人3000円です。


追記:最も近いコンビニとしては、踏切を渡った国道沿いに「サンクス」があるのですが、ここが近々店舗改装するそうで、宿泊日当日(2013/8/15)は商品棚がスカスカでした。8月中旬~9月中旬あたりに休業が入るとのことですので、これから行かれる方、食料調達はご注意ください。


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Posted by かるみっこ at 13:58│Comments(4)鉄道
この記事へのコメント
お久しぶりです。

私も一度立ち寄りたいと思っていたところなんですよね。
ただ、そこだけに向かうにしても鉄路だと相当の時間が掛かるのですよね(^^ゞ
今年中に1週間の休暇を取らなければいけないので、検討に入れてもいいかもしれませんね。

ちなみに、はやぶさのBソロですから確かに狭かったかもしれませんね。比較的北陸のBソロが広かったような気がします。
そう考えるとサンライズのBソロ(シングル)は広いのかもしれませんね。
Posted by 知佳 at 2013年08月16日 15:24
コメントありがとうございます。
可能であれば、肥薩山線との兼ね合いで訪れるのもいいかなと思います。
個人的には「肥薩山線観光列車」で観光客とかち合うのは苦手なんで(笑)、吉松発最終の上りに乗れば、いい時間にブルトレ着でチェックインも「えびすの湯」入浴も間に合います(えびすの湯は21:30最終受付、22:00閉館)

個人的な経験では、「ソロ」でいちばん狭かった記憶は「あけぼの」でした。もし緊急時には脱出が難しいんじゃないかと危惧するほど狭い個室入口だったもんで……
Posted by かるみっこかるみっこ at 2013年08月16日 16:27
いろいろ情報ありがとうございます。
ちょうど豊肥本線の災害復旧も終わりましたし、肥薩線調査も絡めて訪れてみてもいいかもしれませんね。
(ちょうどキハ31形を製造している最中ですし…)

確かにあけぼののBソロは狭いですね。
上段の部屋は寝台を跳ね上げないと出入り出来ませんので、ご指摘のとおり緊急時には不都合になるかもしれませんね。
(私の場合、寝台乗車の際には酒を買い込んで夜景を肴に飲んでいますので、トイレにも行きにくい構造は辛かった思い出があります。)

それ以上に狭い印象を受けたのは、はやぶさのAソロですね。
オリジナルのAソロなんですけど、改造車の北陸やあけぼののAソロに慣れていると「Bソロじゃないのこれ?」と思うくらいに感じましたね。
Posted by 知佳 at 2013年08月16日 18:03
狭い、といえば、今悪い意味で話題のシェアハウスって、思いっきりBソロのような作りですよね。
Aソロは14000円という金額に圧倒されて、ついに使う機会のないまま廃止となってしまいました。もしいままだ九州特急として走っていれば、きっと使う……使う、かなぁ。いや、やっぱり勿体無いから使わないかも(笑
Posted by かるみっこかるみっこ at 2013年08月25日 19:14
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