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2013年01月15日

続・日南高岡線

これの続き……といっても今回はかなりの小ネタです。

以前にも書いた通り、この県道28号線「日南高岡線」は大幅に改良され、改良区間に並行して旧道が走っているのがちらほら見える。一部では九電のメンテナンス用道路へ転用されていて一般車通行止の場所などもあり、すべてをトレースすることはできないが、眺めるだけでも「改良前」の、狭隘区間を想像できて、なかなか楽しい。

さて、宮崎方面から坂を登り、道の駅・田野を過ぎて、いよいよ峠を越えた……さぁこれから下り坂という所で、車窓右側で唐突にその姿を現すのが
続・日南高岡線

オウ!エキサイティング!!
こんな所に、地図に載らない廃道が……ある!
忘れ去られたように立っている標識がナウい!
……閑話休題。


んでもって地図。
続・日南高岡線

ええ、ネットで検索できる地図では、もう全く道などナシ。
(ちなみに、「"ブツ"の位置」のすぐ傍から分岐し、北東へ向かっているのは県道340号・清武大戸野線で、写真の場所から200mほど下った場所から分岐)
こりゃ廃道の香りがプンプンしますぜ!
……と、煽るだけ煽っているけれど、見る人が見たら一発で
「ただの資材置き場だよ!」
と突っ込まれる。ええ左側にデンと大きなコンクリートブロックが置かれているし、実は写っていないんだけど、さらにその左にも、同じように「あっち向いた標識」が立っている。標識をよーく見て見ると、下の方にコンクリートブロックの基礎が見える。「移動できる標識」なのだ。

となると、「コレ」が何なのか、だいたい想像できる。
裏に回ってみると、
続・日南高岡線

はい通行止め~
どうやら最近、「通行止」に好かれているようなワタシである。
人生もはや通行止め、というワケじゃないとは思うのだが……

実際この地に立ってみると、目の前に法面のコンクリート石垣が迫っているのが見え、
続・日南高岡線

この先に道などあろうはずもないことが、即座に理解できるのだが、いわゆる「なんとなく廃道っぽい」というイメージを味わうには、いいかもしんない。(私を含む)素人廃道ファンに対し、「ほらほらこれが謎の廃道だよ~ん」と騙すことができるのだ。

終了!


……といいたい所なんだけど、改めて考えてみると、
「あの通行止の標識はどこから持ってきたんだ?」
という素朴な疑問がわく。
いや、「捨てられた」と考えれば、別に疑問でもないけど、放置するにしては、標識以外に何もない。普通、そういうズボラな業者の場合、標識だけでなく工事の看板(「○○をやっています」とか「100m先工事中」とか)や、門型バリアなども平気で置いていくだろう。「通行止」だけを置いていくのはどうも解せない。
それに加え、あの「石垣」。そこそこ高く、立派なものである。ここは峠であり、そんな所に、道路から15mほど離れた場所に法面など必要なんだろうか?

……と思って、改めて地図を見て、航空写真を見てみると……
続・日南高岡線
ん?
続・日南高岡線
道がある!


といっても、あの「通行止」のある広場の、まだ少し上(北側)ではあるのだが……
今では、日南高岡線からこの道(林道?)へはアクセスできない。ただし、その目の前(上の写真では、県道を挟んで左側)は現在も使用されており、つい最近も周囲の伐採が行われてるし、たまに警備員らしき人の姿も見られる。
もしかして、日南高岡線が改良されるまでは、この林道は1本の道じゃなかったんだろうか?
それを分かりやすくしてみたのが次の画像。
続・日南高岡線

なんか強引な感じだ(笑

ひょっとすると、この日南高岡線が改良・開通した頃、林道はすでに使われなくなっており、一般車が間違って入らないように、それぞれの入口に「通行止」の標識を設置したのではないか。
使われなくなったといっても、定期的な植栽の手入れや、将来的な伐採、植林のために、再び使用することもある。林道とはそういう運命なんだろう。
だから永久に設置するタイプの標識ではなく、下にコンクリートブロックのついた「移動式」の標識が使用されたのではないかと思う。
ただ、片方(左側)は使用再開したため撤去、もう片方(右側)は廃されて久しく、入口もほとんど潰れているので放置……ということなのかもしれない。完全に憶測だが。

ということで
「廃道か!?」
「いやネタとしてはいいけどただの資材置場だ」
「いんや実は……」
……と、ここで現在思考停止中なう、なのだ。

そして全く関係なくなるハナシはこの↓から。


さきほどの「謎の」峠を越えると、飫肥杉展望台がある。
ここから眺める飫肥杉の人工林はある意味圧巻である。「日本一のスギ美林」という名のついた展望台(らしい)。
続・日南高岡線

案内板もある。

ところが、ようやくいい頃合いに育ったのか、現在は周囲を伐採中。↑にも書いた通り。
で、ここからの眺めが……
続・日南高岡線

ちょっと残念なことになっている。

展望台は数年前にできたものだが、残念ながら、伐採後に植える杉が成長する20年後くらいまでは、その美林はおあずけなのかもしれない。これは、仕方のないことである。

いちお、お約束の看板速読。
「飫肥林業と飫肥杉人工林
飫肥林業は、飫肥藩の家臣達が藩財政の窮乏を救うため、江戸時代初めの1623年、山林原野にスギを植樹(当時は山林に直接挿穂を挿付ける「直挿」)したのが始まりと言われています。
その後、植林者に領地を貸し一定の割合で収益を分け与える「部一山」等といわれる部分林(現在の分収林)制度を設けるなどして植林を奨励しました。また、藩士の野中金右衛門らを「植木方」に任命して、造林の推進に当たらせ急速に植林が進み、飫肥林業の基礎を築きました。
明治になって、これらの植林地は官地(国有林)に編入されましたが、部分林制度はそのまま引き継がれ、南那珂地域を中心に飫肥林業地域として発展し、現在に至っています。
この地域の飫肥杉は、樹脂分が多く耐久性に優れていること等から、かつては弁甲材(造船用材)として瀬戸内地方や韓国に出荷されていましたが、木造船の需要が減少したため、現在では、建築用材を目的として育てられています。
ここから、眺望している飫肥杉の人工林は、約1000ヘクタールあり、飫肥林業の伝統と技術を受け継いで、昭和20年以降に食材されています。
見渡す限りスギが続くこの景観は、日本一の杉景色として、宮崎県の林業地を代表するものとなっています
平成13年3月   
宮崎県   
北郷町   
宮崎南部森林管理署」


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Posted by かるみっこ at 08:02│Comments(0)道路
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